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被扶養者の認定基準とは?届け出の添付書類は?

 どのような人が被扶養者になれるの?

『被保険者』とか『配偶者』といった専門用語(⁉)を何度も繰り返す。そんな文章、読むのが大変ではないですか?

そうではなく『太郎さん』『花子さん』と個人名で呼べばいい。最初に『太郎さん』や『花子さん』がどの様な人かを説明しておけばそれで充分のはずです。ここでは次のように理解して下さい。

  • 『太郎さん』=健康保険に加入する人(=労働者)。
  • 『花子さん』=被扶養者の認定を受ける人(=太郎さんの奥様)。

さて、『太郎さん』が、病気・けが・死亡(・出産)という出来事に遭遇すれば、健康保険や厚生年金等から保険給付が行われます。ですが、奥さんである『花子さん』が同様の出来事に遭遇した時にもその保険給付が行われます。

被扶養者になるとは、そういうことです。認定されるには、日本国内に住所があること。そして、『太郎さん』の収入によって主として生計を維持されていることが求められます。

「生計維持」とは、原則次の2つの要件をいずれも満たす場合をいいます。

要件1)続柄

※出典:全国健康保険協会

まず問われるのは『太郎さん』と『花子さん』の続柄です。①か②、どちらかである必要があります。

①直系尊属、配偶者、子、孫、兄弟姉妹

ごく近い関係性の方。具体的には、『太郎さん』の直系尊属、配偶者、子、孫、兄弟姉妹であるということです。

『直系尊属』とは:
父母・祖父母など、自分より前の世代で、直通する系統の親族のこと。ここには養父母も含まれます。しかし、叔父・叔母、パートナーの両親、パートナーの祖父母は含まれません。

なお、ここで言うパートナーには、事実上婚姻関係となっている人も含みます。事実婚とは、法律上の婚姻届を出していないものの、結婚の意思と実態がある状態のことです。

②(①から漏れてしまった)三親等以内の親族

次に、少し遠い関係性の方。『①から漏れてしまった、三親等以内の親族』です。『三親等以内の親族』が、具体的にどのような範囲なのかは、表でご確認ください(表内の➊・❷・❸の部分)。

なお、事実上婚姻関係となっている人の両親と子供も含みます。ただし、後期高齢者医療制度の被保険者等である人は、除きます。

『花子さん』は『太郎さん』と同居していることが求められます。ただし、別居していたとしても同居しているとみなしてくれるケースもあります。

a)①の範囲である場合(『被保険者』と『被扶養者の認定を受ける人』が、ごく近い関係性)

 ▶実際に同じ屋根の下に住んでいなくても、同居していると認められます。

b)②の範囲である場合

 ▶実際に同じ屋根の下に住んでいなければ、同居していると認められません。

要件3)『花子さん』の収入要件

ここで問われるのは『花子さん』の収入です。あまり稼いでいる場合は外されます。また、『太郎さん』と『花子さん』が同居していない場合は、条件が厳しくなります。

A.『花子さん』同居している場合

◎『花子さん』の収入


『花子さん』の年収は、『太郎さん』の年収の半分よりも少ないこと(2分の1未満)が求められます。

この割合を超えると『太郎さん』は一家の大黒柱といえませんよね。ただ、こうした状況であっても、『花子さん』の年収が『太郎さん』の年収を上回らないのであれば、『太郎さん』はその地位を保てることがあります。

◎『花子さん』の年齢


『花子さん』の年収がどのくらいになると被扶養者になれなくなるのでしょうか?

実は具体的な金額も決まっているのですが、それは年齢で分かれます。下記の金額をご覧ください。『花子さん』の年収が高いと、やはり『太郎さん』は大黒柱と言えません。2本あれば大黒柱と呼ばないのです。

a)『花子さん』が60歳以上である場合>>年収180万円未満。

b)『花子さん』が上記未満の場合>>年収130万円未満。

ただし、若くても『障害厚生年金を受けられるような障害者』であれば、年収180万円未満に緩和されます。

B.『花子さん』が別居している場合

◎『花子さん』の収入


扶養されているということは当然、仕送りがあるということになりますよね。別居している場合、『太郎さんの年収』ではなく、『太郎さんの仕送り』で比較します。『花子さん』の収入が『太郎さんの仕送り』よりも少ないことが求められるのです。

◎『花子さん』の年齢


『花子さん』の年収がどのくらいになると被扶養者になれなくなるのでしょうか?

実は具体的な金額も決まっていて、年齢で分かれています。下記の金額をご覧ください。

a)『花子さん』が60歳以上である場合>>年収180万円未満。

b)『花子さん』が上記未満の場合>>年収130万円未満。

ただし、若くても『障害厚生年金を受けられるような障害者』であれば年収180万円未満に緩和されます。

 手続きに必要な書類

新入社員が入り、その人に被扶養者がいるのであれば、会社は『被扶養者(異動)届』と『国民年金第3号被保険者関係届』を出すことになります。

ただし、添付する書類には注意が必要です。

◎『花子さん』の続柄を確認するための書類

具体的には、『花子さんの戸籍謄(抄)本』か、『住民票の写し』かの、どちらか。『住民票の写し』でも許されるのは、『太郎さん』が世帯主になっていて、『花子さん』と同一世帯である場合に限ります。

ただし、添付書類をつけないですませるケースもあります。それは、『太郎さん』と『花子さん』、双方のマイナンバーを届書に書いてもらった上で、会社が続柄に誤りがないとサインした場合です。

◎『花子さん』の収入を確認するための書類

※退職したことで収入要件を満たす場合

 ▶退職証明書か、雇用保険の離職票の写しを出してもらいます。

※雇用保険を受給中、もしくは受給が終わり収入要件を満たす場合

 ▶雇用保険の受給資格者証の写し。

※年金を受給中の場合

 ▶現在の年金受取額がわかる、『年金額の改定通知書』などの写し。

※農業等を営んでいたり、自営業による収入や不動産による収入がある場合

 ▶直近の確定申告書の写し。なお、自営業を営んでいる人の収入額は、必要経費を除いた金額となります。

※国から支払われる非課税対象となる収入がある場合

 ▶別に「受取金額のわかる通知書等のコピー」をもらいます。
  具体的には、障害年金、遺族年金、傷病手当金、出産手当金、失業給付等のことです。

※『花子さん』が『太郎さん』と別居している場合

 ▶仕送りの事実と仕送りしている金額が分かる書類を出してもらいます。
  ただし、送金者と受取人、両方の名前が確認できるものに限ります。具体的には、こうした書類。
  『振込する側』である場合:「預金通帳等の写し」や「振込明細書」等。
  『送金する側』である場合:「現金書留の控え(写し)」等。
                ただし、『花子さん』が学生である場合はつける必要はありません。

※『太郎さん』と『花子さん』がもし内縁関係である場合

 ▶お二人の戸籍謄(抄)本を出して頂くか、世帯全員の住民票を用意します。
  これについては、コピーは不可。ただし、個人番号はつけないで下さい。

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