
通勤手当が残業代の増加につながる⁉
専門情報oppo_0 通勤手当は、残業代の計算の基礎に含めません。 つまり、いくらたくさん払っても、残業代の負担が増えるようなことはないのです。 しかし、例外もあります。 通勤にかかった費用や 通勤距離に関係なく、 一律に支給されている場合です。 例えば、実際の通勤距離に関係なく、1日400円なんて具合に支給されている場合。 このお金がコスト増につながるのです。 続きを読む
社労士として、職場デザイナーとしての情報
oppo_0 通勤手当は、残業代の計算の基礎に含めません。 つまり、いくらたくさん払っても、残業代の負担が増えるようなことはないのです。 しかし、例外もあります。 通勤にかかった費用や 通勤距離に関係なく、 一律に支給されている場合です。 例えば、実際の通勤距離に関係なく、1日400円なんて具合に支給されている場合。 このお金がコスト増につながるのです。 続きを読む
現在の日本では、『会社が社員を解雇すること』に対して、厳しい制限があります。 例えば、『問題行為』をたくさんしていても、個々に見れば『さほど深刻ではない』場合、解雇は困難です。 ではどうすればいいのでしょうか? 『有効な証拠』が沢山あればいいのです。 ◎ 問題行為が繰り返しなされたこと。 ◎会社が警告・指導したにもかかわらず、改善されなかったこと。 ◎社員の課題を明らかにして、直すべきことを具体的に指摘したこと。 ◎解雇される可能性があると明確に伝えた上で、リベンジの機会を与えたこと。 ◎最終的に問題行動を改めなかったこと。 世の中には、突如豹変して問題社員を追い出す人が多すぎます。 『誠実』だからダメなのではありません。むしろ、『誠実』だから解決するのです。 続きを読む
『テレワーク』と『事業場外みなし労働時間制』の相性は? 最近は新型コロナの影響で『テレワーク』を行う企業が増えました。そこで注目されるのが『事業場外みなし労働時間制』です。 しかし、テレワークであれば、この制度を使えると考えるのは早計です。この制度を導入する際には、次の環境を確保しなくてはいけないからです(厚生労働省「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」)。 1.テレワークが毎日自宅で行われる。 2.使用するパソコン等の電源を、自分の意思でOFFにできることが認められている。 3.テレワークが、随時『会社の具体的な指示』に基づいて行われていない。 上司の具体的な指揮命令を受けず、自分の裁量で業務を進めることができる環境。現実的には、こんな環境を確保するのは難しいと思います。今の時代、ZOOMのようなツールもあるからです。 もし、『事業場外みなし労働時間制』の適用が否定された場合、少なくないダメージを受けます。例えば追加の未払い賃金の支払いです。 テレワークの導入に合わせて、『事業場外みなし労働時間制』を導入しようとするよりも、まずは今まで通りの労働時間制度で管理をするのがスムーズです。 業務開始時刻、終了時刻、休憩時間の管理ができないという不安をお持ちであれば、次のようなルール作りをするだけで会社勤務同様の管理ができるようになります。 ◎業務開始時に、「業務を始めます」。◎休憩開始時に、「休憩に入ります」。◎休憩終了時に、「休憩終了、業務に戻ります」。◎業務終了時に、「業務を終了します」。 このように、それぞれのタイミングでの報告を義務付けるのです。方法は、LINE・メール・チャットツール・電話といったものです。 なお、2019年4月、すべての労働者の労働時間を客観的な方法で把握することが法律で義務化されました。客観的な方法とは、例えばタイムカード・ICカード・PC打刻といった手段です。テレワーク導入時には、クラウド勤怠管理ソフトを導入するのが望ましいです。 リスクは最小化する。そして同時にリスクが具現化したときの対策を打つ。それが現実的です。 続きを読む
初動対応は コンビニや飲食チェーンで、アルバイト従業員などが悪ふざけをした写真を店内で撮影、ツイッターなどに投稿し、炎上する騒ぎが相次いでいます。 具体的な事例で考えます。 従業員が飲食店内で業務用冷蔵庫に入って「悪ふざけ動画」をSNSに投稿。それがマスコミに広く公開され、影響でこの店は一時閉店。食品破棄の他、冷蔵庫の消毒を行うこととなりました。しかもその後の数か月、風評被害で売り上げに影響が出ました。 会社としては、削除される前に、その「悪ふざけ動画」をプリントしましょう。「パソコン画面上の映像」をそのまま録画できる「キャプチャーソフト」を使うと便利です。その上で事実関係の調査、そして本人へのヒアリングを行います。 『懲戒解雇』にできるかどうか 労働者と会社が「労働契約」を結べば、労働者は「会社に不当な損害を与えないようにする義務」を当然負うことになります。なので、たとえ勤務時間外であっても、会社の名誉や信用を損なう行為・不当に損害を与える行為は許されません。 とはいえ、悪ふざけ動画をSNSに投稿したから直ちに「懲戒解雇」が可能というわけではありません。「懲戒解雇」がふさわしいかどうかは、一律に決められるものではなく、具体的な事情に思いを巡らせ、それぞれ判断する必要があります。 また、あらかじめ就業規則で「懲戒処分の種類」や「どのような場合に懲戒処分を受けるか」を定めておくことも必要です。「会社の名誉、信用を失墜させる行為」が懲戒処分の対象となると規定してあるか確認してみましょう。 その上で、見定めです。その際に考慮する視点は、懲戒解雇が裁判官が認定した社会一般の常識に適っているか、悪ふざけの程度、会社の社会的信用を失墜させた程度、企業秩序を乱した程度です。 解雇・減給・出勤停止・降格など、「どの懲戒処分にするか」を決める際に考慮するのは、投稿の内容・業務に与える影響・投稿の対象・投稿時間が就業時間内かどうか・会社側の従業員の管理状況などです。 今回のケースは、飲食店における食品の衛生上の問題を生じさせる投稿です。ネット上で誰もが簡単に見られる状態であり、お店が一時閉店となっていることも考えると、解雇も視野に入れた検討がなされる事案といえます。 とはいえ、「懲戒解雇」は労働者の死刑判決とも言うべき影響があり、どんなに悪質であっても高い紛争リスクを伴う。なので、あえて行わないことにする企業が多いです。 『損害賠償請求』ができるかどうか 次に、従業員に対して『損害賠償請求』ができるかどうかを考えてみます。『損害賠償請求』とは、相手が契約を守らなかった、または違法な手段を用いたために損害を受けたとして、金銭的な補償を求めることをいいます。 「損害賠償請求」ができるかどうかは、「誠実義務」の違反の程度によります。つまり、「会社の正当な利益を不当に侵さないように配慮する義務」をどの程度果たさなかったで判断するのです。仮に従業員に過失があったとしても、営業していれば事件の発生が一定の確率で発生するような事案である場合、認められません。 では、今回のケースでは認められるのでしょうか。 結論から言うと、「誠実義務」違反の程度がひどく、しかも「故意にやった行為」といえますので、損害賠償請求も考えられるケースです。ただ、認定されるのは限定的。具体的な「損害」と「その因果関係」が証明できる範囲に限られます。「店舗の消毒費用」・「清掃や食材を廃棄したこと伴う費用」などは認められても、「店舗を開鎖したことに対する損害賠償責任」が認められるのは難しいと思います。 大事なのは、転ばぬ先の杖。「トラブルが実際に起きた後にどうするか」ではなく、「トラブルが起こる前に予防する」ことが大切です。従業員に対して、就業時間中のスマホの利用を禁止し、会社のパソコンは業務使用に限定しておく。SNSに対するガイドラインを作る。そして「会社の不利益につながる行為」を行わないように従業員教育を徹底する。そういった「日常の管理」が大切です。 これでは納得いかないとお感じになることも多いと思います。ですが、いくら正しいことを言っていても、みんなが共鳴しないのであれば踏みとどまることも大切。弊所はそのように考えます。 続きを読む
はじめに 『定められた労働条件を落とすこと』は、従業員の既得権を奪い、不利益な労働条件を課すこと』です。原則、一方的にこうしたことを行うことは認められません。約束は守る、ビジネスにおける最も大事な約束事です。ですが、ビジネスシーンでは、判断に悩む場面、正義だと思われることが通用しない、不条理な場面も時として起こります。 実は、法律はその点をすでに考慮して作られています。労働契約法には、『労働者と会社の双方の合意』があれば、労働条件の変更ができるという定めがあるのです。 労働条件を変更する方法は3つある 労働条件を変更する方法は次の3つです。 新たな労働協約の締結 労働者の個別同意 就業規則の不利益変更 ◎新たな労働協約の締結 まず『労働協約の締結』ですが、この方法は、労働組合がない会社は使えません。ほとんどの企業に組合は存在しないという理由から、ここでは説明を割愛させていただきます。 ◎労働者の個別同意 次に、『労働者の個別同意』です。要するに、労働者1人1人に同意をもらうということです。但し、『同意』をもらったケースでも、その内容も様々です。例えば、『錯誤(民法95条)』、『詐欺』、『脅迫(同96条)』に基づくものであれば、ないに等しい。ですから、単に同意さえ取れればどんな手段を用いてもいいというのではなく、後でトラブルにならない形でもらわなくてはいけません。 同意をもらう際に欠かせないことがあります。それは正確な情報を相手に提供すること。そして、自由な意思で判断してもらうことです。労働者に事前に与えるべき情報は、『労働条件を変更する理由』、『変更する内容』、『会社の経営状況』といったものです。 『錯誤』とは:『勘違い』のこと。例えば、「シャネル半額セール、保証書付き」というチラシを見て、シャネルだと思って買ったとします。ですが、実は偽物。この場合、仮に契約が成立していたとしても返品できるケースもあります。 『詐欺』とは:他人をだまして、損害を与えること。 『脅迫』とは:相手に恐怖心を与え、従わなければ害悪を加えるぞと脅すこと。 話を元に戻します。労働者から同意を取る際の注意点です。『同意』をとる際には、1人1人『書面』を取り交わすようにしましょう。つまり、何も言わないでも分かるだろうという発想は避けて下さい。 例えば、『所定労働時間』について、会社が一方的に1日30分延長するケースを考えてみます。この場合、黙示の同意をもらったという主張は通じません。『少なくとも半年間、労働者は文句も言わず働いていた』と反論しても通用しない。紛争になれば『法内残業代』が未払いだと認められる可能性があるのです。 なお、『個別に同意をとること』自体にも、議論のあるところです。労働契約法には、『就業規則を下回る合意を無効とする』という規定(労契法12条)があるからです。ですから、ほとんどの労働者から『同意』がとれた段階で、併せて『就業規則』の内容も改めることをお勧めいたします。 ◎就業規則の不利益変更 労働条件を変更する方法の最後。『就業規則の不利益変更』についてです。この方法は、変更内容が『合理的』であり、労働者に『周知』したときに限り、認められます。(労契法10条) ただ、『合理的』という言葉自体があいまいで、掴みづらい。『合理性のあるなし』はどのように判断するのでしょうか。 簡単に言えば、『労働条件の変更の必要性』と、『労働条件の変更によって労働者が受ける不利益の程度』を天秤にかけるのです。両者を比較して、総合的に判断する。『労働者に与える不利益』が大きければ大きいほど、『変更の必要性』もそれだけ高くないと認められないということです。 そこで会社はどのようにして天秤のバランスを取るのか、具体的にみていきます。 第一に知って頂きたいのは、労働者の立場に立って考えないとうまくいかないということです。 例えば、『明日から給料を下げる』と「急に」言われたら、誰しも反発します。また、給料の下げ方があまりひどいと生活ができなくなります。『変更する理由』を説明されたとしても、『客観的な証拠』がないと、誰しも疑いの目を持ちます。 そこで、時間的に猶予を与えたり、別の形で代償を支払ったり、正確に判断できるように『話し合いの機会』をたくさん持つようにするのです。 対処方法は様々。『合理的』だと認められるように、しっかりとした『それを基礎付ける事情』を積み上げていきます。 ただ、どの方法を取るにせよ、『労働条件を不利益に変更する必要性』が生じた場合は、専門家のサポートを受けた方がいいと思います。厳しい経営状態の中、さらに泥沼の紛争はあってはならない事態。第3者である専門家が入ることで、『労働者に安心感』を与えることもできます。 >>このサイト その他のページ一覧 【王道の経営】弊所のご案内 【法人向け】就業規則の作成(改訂) 【法人向け】顧問契約 【個人向け】本来のパフォーマンスの復活 情報のご提供 弊所の特徴 お問い合わせ LSO労務管理事務所(登録番号13110163号)(会員番号2218450号) ℡:070-3220-0088 fax :03-6322-7736 営業時間:9:00~18:00(土日祝祭日を除く)メールアドレス:gracias@allwin88.xsrv.jp銀行口座:みずほ銀行 新宿新都心支店(普通)8508522 クノトシヒデ 掲載のコンテンツの無断転載を禁じます。 静岡県浜松市中区葵東2-9-32 Copyright (C) 2022 LSO労務管理事務所 All Rights Reserved. 特定商取引法の表記 | プライバシーポリシー | 利用規約 続きを読む
【入社時】 社会保険料の支払い方のルールについて、お話いたします。まず入社について。従業員が月の途中で入社した場合、資格を取得した日(入社日)の属する月から,納付することになります。 A)従業員が月の途中で入社した場合 ▶初回納付月:入社日の属する月 B)従業員が月の初日に入社した場合 ▶初回納付月:入社日の属する月 【退職時】 次は退社について。退職日の属する月の社会保険料はかかりませんが、月末である場合は保険料が発生します。 A)従業員が月の途中で退職した場合 ▶最終納付月:退職日の属する月の【前月】(=退職した月の【前月】) B)従業員が月の末日に退職した場合 ▶最終納付月:退職日の属する月(=退職した月) 【同月得喪の場合】 次に、同月得喪についてです。難しい言葉ですね。ですが、そんな話ではありません。例えば、入社して直ぐに「思っていた職場ではない」と感じた。それで、その月の内に見切りをつけて退職してしまうケースです。 このように入社した月と退職した月が同じ場合(同月得喪)であれば、とりあえずはその月分の保険料を納付しなければなりません。 入社した月の内に退職してしまう場合 ▶最終納付月:退職日の属する月 ですが、やがてトラブルが起こります。退職した元社員が役所に国民健康保険と国民年金の加入手続きに行くと、退職月から保険料を納めてくださいと言われるのです。ですが、給与明細ではその月分の社会保険料がちゃんと控除している。そこで争いになるのです。 結論から申し上げると、このようなケースでは、厚生年金保険料については返金されます。ですが、健康保険料は返金されません。つまり、健康保険については、二重に収めるしかありません。入社したその月に退職した自分が悪い。つまるところそう言うことです。 では、会社としては、この事態にどのように対処しなくてはいけないのでしょうか。通常、会社にお手紙が届きます。「同月中に被保険者資格を取得・喪失された被保険者に関するお知らせ」といった内容です。そしたら、厚生年金保険料について、還付手続を行います。そうすると、会社から余分に取りすぎていた厚生年金保険料が返金されるのです。 ですが、注意が必要なのは、戻ってくる額は、会社負担分・自己負担分を合わせたものだということです。自己負担分は、本来元社員のお金。受け取ったら、元社員に対して、その人の自己負担分を返金します。在職中にその従業員から控除した分です。 なお、退職日が末日の場合は同月得喪には該当しません。社会保険の資格喪失日は、退職日の翌日となるからです。 >>このサイト その他のページ一覧 続きを読む
「固定残業代制」の導入時は最大限の注意を! 「固定残業代制」とは、毎月の基本給に加えて、『固定残業代』というものを必ず支給するという制度です。世間では「みなし残業代制」とも呼ばれています。 導入するときは以下の点に注意してください。 ◎『通常の賃金に当たる部分』と『固定残業代の部分』をはっきり分ける 基本給と残業代は分けて管理するのですね。切り分けが不明確だと、万一裁判になった時に「残業代が支払われていない」と判断されてしまう可能性があります。 ◎『固定残業代』は、時間外労働の対価として支払われていることをハッキリと伝える あらかじめ支給する金額・設定時間・清算方法などを書面にて伝えておくのです。 ◎『固定残業代として設定した時間』を超えて働いたときは、その超えた時間分を支払う 固定残業代とは別の話になります。 ◎固定残業代に含まれる残業時間数は、長時間にならないようにする 固定残業代に含まれる残業時間はどのくらいが適切なのか、法律等で決まっているわけではありません。多くても、『36協定書の1か月の上限』までに留めることをおすすめします。つまり、45時間です。1年単位の変形労働時間制を採用しているのであれば、42時間となります。 ちなみに、大抵の企業は20〜30時間となっています。 ◎雇用契約書などで従業員と合意を取る もし固定残業代が正しく運用がされていないと、トラブルになって、最終的に残業代が支払われていないと判断されてしまう可能性があります。ネットなどを見ていると、『固定残業代を導入している会社はブラックだ』と断言している人がいます。ですが、導入の有無だけで判断するのは明らかにおかしいです。問題は、法律に則って正しく運用されているかどうかなのです。 続きを読む
「事業場外みなし労働時間制」が役立つ労働者 通常、従業員の労働時間を把握したい時、タイムカード、監督者の目視、パソコンにおけるログインからログアウトまでの記録時間などで行います。しかし、この方法を取れない従業員もいるのです。例えば、外出して仕事をしている人。そして在宅勤務の人。職種は関係ありません。 そこで導入される制度があります。「事業場外みなし労働時間制」です。一言で言うと、『業務の都合上、労働時間の把握が難しい人達』に対しては、『実際に働いた時間』ではなく、『あらかじめ決められた時間』を働いたものとみなそうという制度です。 「事業場外みなし労働時間制」で得られる効果 もう少し詳しくご説明致しますね。まず前提として確認しておきたいのは、賃金の支払いの対象となるのはどのような時間かということです。言うまでもなく『事業場外で働いた、実際の労働時間』であるべきです。しかしながら、『働いている場所は会社の外』。管理者の目が届かないので、『実際の労働時間』が分かりません。 そこで、あらかじめ『事業場外で行う業務に、通常必要な時間』を決めてしまうのです。『実際に働いた時間』ではなく、『決めた時間』で賃金を計算します。 では、所定労働時間が8時間の会社を例に考えてみます。会社の外でどのくらい働くのでしょうか? 『事業場外で行う業務に通常必要な時間』を8時間とみなした場合 このケースであれば、『会社の外で働いた実際の労働時間』が「所定労働時間である8時間」を超えても、越えなくても、「8時間」は労働したものとして取り扱います。 例えば、従業員が9時間外出したとしても、割増賃金は出ない。しかし逆にいうと、外で6時間しか働かなかったとしても、8時間働いたとして取り扱ってくれるということです。 『事業場外で行う業務に通常必要な時間』を7時間とみなした場合 このケースであれば、「8時間」外出したとしても、7時間しか働いていないとみなされます。つまり、1時間分賃金が控除されてしまうのです。 『事業場外で行う業務に通常必要な時間』を9時間とみなした場合 法定労働時間は、1日8時間。このケースであれば、1時間分が残業となります。常に割増賃金が発生するということです。 ただし、この場合、労使協定を締結して、管轄の監督署へ届出をする必要があります。 満たさないといけない要件 最後に注意点です。この制度を導入する場合、以下の条件を満たして下さい。 ①従業員は、管理者の具体的な指揮監督が及ばない事。 ②実際に働いた時間を把握するのが困難である事。 ③『事業場外の業務に通常必要な時間』を決める際は、適切に設定する事。 ④制度の対象者は『事業場外で業務を行っている人達』である事。 ※事務職など、労働時間の把握ができる人達は対象外。 ⑤就業規則に制度導入について記載をする事。 ⑥制度について、対象となる従業員に対して説明を行う事。 ⑦『事業場外の業務に通常必要な時間』が『法定労働時間(つまり1日8時間)』超える場合、労使協定を締結する事…等。 続きを読む
副業 労働時間 アルバイトの掛け持ちをしている人の残業代の問題ですね。実は、御社と他社のどちらが先に雇用契約を締結したかで複雑度が変わります。 御社が先の場合、通常の勤怠管理で給与計算も特段留意すべき点はありません。しかし、すでに他社でアルバイトとして勤務している場合、つまり御社が副業先となる場合は注意が必要です。他社の勤務時間と御社の勤務時間を通算して8時間を超えたときは、『超えた部分』が残業扱いとなり、25%割増が必要です。 具体例で考えてみます。9時から16時までの6時間を他社で勤務し、その後17時から20時までの3時間を御社で勤務する場合、最後の1時間が残業扱いとなります。そう、25%割増です。 同じ日に他の会社で働いていない日でも注意が必要です。法定労働時間は1日単位だけでなく、週単位でも決められているからです。 例えば、他社で月曜日から金曜日の5日間、他社で8時間勤務している人。こうした方が、土曜日に御社で勤務するとなると、その勤務時間の全てが25%割増の対象となります。ただし、業務委託であれば、通算する必要はありません。業務委託は通常の雇用契約ではないからです。仕事の成果に対して報酬が支払われる働き方です。 すでに他社でアルバイトをしている人を採用する際の注意点。それは、他社での勤務時間、週の所定労働時間、休日を申告してもらうということです。 現時点の法令はこうですが、今後の行政の動向次第で変わる可能性もあります。労働時間の計算について、Wワークする本人の自己申告で良いのかという問題があるのです。 続きを読む
「ダラダラ残業」を防ぐために用いる制度 今回は、採用率がすごく高い『残業の許可制』の運用上の問題点について考えてみます。 貴方の会社には、「特に仕事もないのに居残りダラダラとカラ残業をしている人は」いませんか? このような行為は、他の社員に対して「悪影響」を及ぼし、「社内のモチベーション」の低下にも繋がります。それだけではありません。これまでは、残業をいくら行っても「行政指導」が行われるだけでしたが、「残業時間の上限」が設定されました。そして、なによりも「カラ残業」は無駄な経費です。実際、次のような時間は残業代の請求ができないとされています。 ・明らかにだらだら仕事している時間 ・居眠りやネットサーフィンをしている時間 ただ、「ダラダラ残業」とはいえ、「裁判」になると「労働時間」として認定されるリスクが高いです。このような状態を避けるために設けられるのが『残業の許可制』です。 「残業の許可制」:社員が残業をする場合に事前の会社の許可を取らせ、それができなかった場合には「事後の承認」を取ることを求める方法。 「残業の許可制」を成功させるためにやること この制度を導入する目的は、「社員に無駄な残業をさせないこと」と「健康管理という観点からの労働時間の抑制」。この制度を使えば、「会社側の意向を無視した残業時間」は「労働時間」として認められなくなります。 とはいえ、「残業の許可制」という制度は、「単に導入すればうまくいく」というものではありません。「早く帰れるというメリット」があるにせよ、これまでは、ダラダラ仕事をしても、その分、残業代が余分に出ていたのです。それが「これまでと同じ労働時間」で、「同じ成果」を出すことを求められるようになる。残業代目当ての従業員にとっては、ありえない事態といえます。 この制度を成功させるカギは「意識改革」です。「残業してでもいいものを生み出す」という考えから、「残業しないでいいものを生み出す」という考えにシフトしてもらうのです。 「残業の許可制」の運用方法 では「残業の許可制」の具体的な運用方法について触れます。やることは簡単。朝礼で「今日、何時に帰るか」を自己申告させるのです。 残業しないためには、まず「残業しない」と決めることです。「定時に終わるわけがない」と最初から思い込んでいるとしたら、その考え方からまず改革しなくてはいけません。 ただし、大事なのは「定時に帰る」ことではなく、「生産性を下げないで、定時に帰る」ことです。「集中」するために必要なのは、「限られた時間内で、どのような結果を得たいのかを明確にすること」です。 人は宣言すると、「それをしなくてはいけない」という強制力が自然に働きます。意識的にせよ、無意識にせよ、自分の思い描いた行動に出たがる習性があるのです。「思い描いたこと」を毎回宣言するだけで、思い描いた人間になろうとするのです。それにより、「所定労働時間内に業務をきっちりと終了させよう」という意欲につながります。 「長時間働く人が会社に貢献している時代」から、「短時間で成果を出す人が評価される時代」に変わる。一定の時間はかかりますが、この小さな習慣を続けることで、社内にいい意味の緊張感が生まれ、モチベーションが上がっていきます。 さらに、朝礼で「メンバーが何時に帰るか」を共有しあうようにします。それにより、チーム全体の調整ができるようになります。「部長は5時に帰るので、4時には書類を終わらせて、4時15分までに相談しなければ間に合わない」、「あいつは6時に帰ると言っていたが、指示していた仕事は間に合うのかな?中間報告させよう」という具合です。 「残業の許可制」の問題点 ですが、この制度。まだ「越えなくてはならない課題」があります。それは持ち帰り残業が生まれやすいということです。「短時間で成果を出す人」が評価されるようになれば、これまで「長時間働くことで会社に貢献してきた人」が立場が悪くなりますよね。そうなると仕事を持ち帰りたいという欲求が生まれてきます。家に持ち帰って仕事をしていては本末転倒です。 持ち帰り残業が生まれる原因が従業員側にあるのか、それとも会社側にあるのかの判定は少々大変です。例えば「業務量が多すぎて残業を余儀なくされているケース」では、会社側の責任と認定される可能性があります。そうなると、残業代が後から請求されることになります。 実際、監督署の調査の時に、こう言われたら釈明が困難です。 ~仕事を持ち帰りの原因は、会社が時間内に終わらないほどの業務を与えていたからであり、会社は持ち帰りのことも把握していた。~ また、自宅に資料を持ち帰ると「情報漏えい」などの「コンプライアンスの問題」も発生します。 そこで、『適正な仕事量』にするための対策についても触れます。朝礼で「退社時間」の申告をしてもらうのではなく、「今日行う仕事の内容」も申告してもらうのです。そうすることでリーダーは「その日の仕事量が適正かどうか」を朝の段階で評価できます。 もし「申告時間に帰れない仕事量」だと判断したときには、サポートを行います。判断する際に考慮するのは次の視点です。 ・その仕事は今日中に行わなければならないのか? ・得意先に対する資料か、単なる社内に回覧する資料か? ・チームで手伝えることはないか?…など 朝礼で「退社時間」だけでなく「今日行う仕事の内容」も申告してもらうことで、「短時間で終わらせる仕組み」や「他の人への仕事の振り分け」も検討できるようになります。 もう一つ補足です。それは『適正な仕事量』はなんぞやということです。 「仕事が多すぎる」、「休憩を取れない」、「時間が足りない」という評価は、「個人」の感覚であることが多く、公平で客観的な基準とは言えません。こうした場合に有効なのは、「標準時間」の設定です。この方法をとることで、「仕事量が適正であるという納得感」を全ての従業員と共有できるようになります。 >>このサイト その他のページ一覧 重大問題が起きる前の『早期サイン』に気づいていますか?就業規則に問題があるかの徹底調査 高度の技術を持つ専門家が、低価格で、徹底的に修正します。就業規則の見直し(改訂) 暴力や嫌がらせをせず、正々堂々真心を持って戦い、勝利するという戦略アドバイザリー HOME ご挨拶 コンサルティング お問合せ 著書 ブログ LSO労務管理事務所(登録番号13110163号)(会員番号1319873号) ℡:070-3220-0088 fax :03-6322-7736 営業時間:9:00~18:00(土日祝祭日を除く) 掲載のコンテンツの無断転載を禁じます。 静岡県浜松市中区葵東2-9-32 Copyright (C) 2022 LSO労務管理事務所 All Rights Reserved. 特定商取引法の表記 | プライバシーポリシー | 利用規約 「ダラダラ残業」を防ぐために用いる制度 今回は、採用率がすごく高い『残業の許可制』の運用上の問題点について考えてみます。 貴方の会社には、「特に仕事もないのに居残りダラダラとカラ残業をしている人は」いませんか? このような行為は、他の社員に対して「悪影響」を及ぼし、「社内のモチベーション」の低下にも繋がります。それだけではありません。これまでは、残業をいくら行っても「行政指導」が行われるだけでしたが、「残業時間の上限」が設定されました。そして、なによりも「カラ残業」は無駄な経費です。実際、次のような時間は残業代の請求ができないとされています。 ・明らかにだらだら仕事している時間 ・居眠りやネットサーフィンをしている時間 ただ、「ダラダラ残業」とはいえ、「裁判」になると「労働時間」として認定されるリスクが高いです。このような状態を避けるために設けられるのが『残業の許可制』です。 「残業の許可制」:社員が残業をする場合に事前の会社の許可を取らせ、それができなかった場合には「事後の承認」を取ることを求める方法。 「残業の許可制」を成功させるためにやること この制度を導入する目的は、「社員に無駄な残業をさせないこと」と「健康管理という観点からの労働時間の抑制」。この制度を使えば、「会社側の意向を無視した残業時間」は「労働時間」として認められなくなります。 とはいえ、「残業の許可制」という制度は、「単に導入すればうまくいく」というものではありません。「早く帰れるというメリット」があるにせよ、これまでは、ダラダラ仕事をしても、その分、残業代が余分に出ていたのです。それが「これまでと同じ労働時間」で、「同じ成果」を出すことを求められるようになる。残業代目当ての従業員にとっては、ありえない事態といえます。 この制度を成功させるカギは「意識改革」です。「残業してでもいいものを生み出す」という考えから、「残業しないでいいものを生み出す」という考えにシフトしてもらうのです。 「残業の許可制」の運用方法 では「残業の許可制」の具体的な運用方法について触れます。やることは簡単。朝礼で「今日、何時に帰るか」を自己申告させるのです。 残業しないためには、まず「残業しない」と決めることです。「定時に終わるわけがない」と最初から思い込んでいるとしたら、その考え方からまず改革しなくてはいけません。 ただし、大事なのは「定時に帰る」ことではなく、「生産性を下げないで、定時に帰る」ことです。「集中」するために必要なのは、「限られた時間内で、どのような結果を得たいのかを明確にすること」です。 人は宣言すると、「それをしなくてはいけない」という強制力が自然に働きます。意識的にせよ、無意識にせよ、自分の思い描いた行動に出たがる習性があるのです。「思い描いたこと」を毎回宣言するだけで、思い描いた人間になろうとするのです。それにより、「所定労働時間内に業務をきっちりと終了させよう」という意欲につながります。 「長時間働く人が会社に貢献している時代」から、「短時間で成果を出す人が評価される時代」に変わる。一定の時間はかかりますが、この小さな習慣を続けることで、社内にいい意味の緊張感が生まれ、モチベーションが上がっていきます。 さらに、朝礼で「メンバーが何時に帰るか」を共有しあうようにします。それにより、チーム全体の調整ができるようになります。「部長は5時に帰るので、4時には書類を終わらせて、4時15分までに相談しなければ間に合わない」、「あいつは6時に帰ると言っていたが、指示していた仕事は間に合うのかな?中間報告させよう」という具合です。 「残業の許可制」の問題点 ですが、この制度。まだ「越えなくてはならない課題」があります。それは持ち帰り残業が生まれやすいということです。「短時間で成果を出す人」が評価されるようになれば、これまで「長時間働くことで会社に貢献してきた人」が立場が悪くなりますよね。そうなると仕事を持ち帰りたいという欲求が生まれてきます。家に持ち帰って仕事をしていては本末転倒です。 持ち帰り残業が生まれる原因が従業員側にあるのか、それとも会社側にあるのかの判定は少々大変です。例えば「業務量が多すぎて残業を余儀なくされているケース」では、会社側の責任と認定される可能性があります。そうなると、残業代が後から請求されることになります。 実際、監督署の調査の時に、こう言われたら釈明が困難です。 ~仕事を持ち帰りの原因は、会社が時間内に終わらないほどの業務を与えていたからであり、会社は持ち帰りのことも把握していた。~ また、自宅に資料を持ち帰ると「情報漏えい」などの「コンプライアンスの問題」も発生します。 そこで、『適正な仕事量』にするための対策についても触れます。朝礼で「退社時間」の申告をしてもらうのではなく、「今日行う仕事の内容」も申告してもらうのです。そうすることでリーダーは「その日の仕事量が適正かどうか」を朝の段階で評価できます。 もし「申告時間に帰れない仕事量」だと判断したときには、サポートを行います。判断する際に考慮するのは次の視点です。 ・その仕事は今日中に行わなければならないのか? ・得意先に対する資料か、単なる社内に回覧する資料か? ・チームで手伝えることはないか?…など 朝礼で「退社時間」だけでなく「今日行う仕事の内容」も申告してもらうことで、「短時間で終わらせる仕組み」や「他の人への仕事の振り分け」も検討できるようになります。 もう一つ補足です。それは『適正な仕事量』はなんぞやということです。 「仕事が多すぎる」、「休憩を取れない」、「時間が足りない」という評価は、「個人」の感覚であることが多く、公平で客観的な基準とは言えません。こうした場合に有効なのは、「標準時間」の設定です。この方法をとることで、「仕事量が適正であるという納得感」を全ての従業員と共有できるようになります。 続きを読む