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社労士として、職場デザイナーとしての情報

長時間労働より危険なもの

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今回のテーマは、「当たり前とされている常識」を、一度立ち止まって見直してみませんか?ということです。 例えば次の医学的な指摘です。 長時間労働が続くと、 脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすリスクが高まる もちろんこの指摘が間違っているというつもりは全くありません。 私が言いたいのは 「人を深く消耗させるのは、本当に“労働時間”だけだろうか?」 ということです。 現在ではどうも時間数ばかり注目されているような気がします。 実際、同じ時間働いていても、 「極端に疲弊してしまう人」と「そうでない人」がいますよね。 この違いは、どこから生まれるのでしょうか。 私は、その大きな要因の一つが、「やらされ感」ではないかと思っています。 極端な例ですが、テレビゲームで説明すると分かりやすいと思います。 昼夜を問わず夢中になっている人はたくさんいますが、 彼らは何時間やってもイキイキしていますよね。 一方で会社経営をする立場の人であれば、 長時間ゲームを強制されることは大変な苦痛のはずです。 理由は言うまでもなく優先順位の問題。 ゲームが面白いかどうかは直接関係がありません。 では、そのゲームが「会社の未来を左右する重要な仕事」だったらどうでしょうか? 時給100万円と言われたら、 イキイキして始める社長もいるかもしれません。 ここで分かることは 心身への負荷の違いは 時間の長短ではなく、 “主体感”や“意味づけ”によって変わるということです。 「何事も捉え方・解釈次第」 このことは心理学・ 組織論・スポーツ科学・ 禅・認知行動療法においても 共通して触れられていることです。 ナチスの収容所から奇跡的に生還した人物もこのように言っています。 どのような環境にあろうとも、その苦しさの中に、意味・意義を見出した人は、生きていくことができる。 しかし、現在ではこの指摘は非常にセンシティブなテーマとされ、 反発を招きやすいです。 実際に苦しんだ人や遺族の存在があるからです。 なので誤解のないように「前提となる条件」を補足説明させてください。 ①安全と健康を守るために必要最低限のことを守ること。 ②労働諸法令を遵守すること。 ③単に時間数だけを伸ばすのではなく、生産性の向上を考えること。 ④大好きなゲームにしても、やりすぎれば健康を害すること。 労働時間を減らすことは大切です。 しかし同時に、 「人はなぜ働くのか」 「その仕事に意味を感じられるか」 という視点も、 これからの社会ではますます重要になるのではないでしょうか。 続きを読む

自由を機能させるための“共通ルール”の力

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「各自が自由にやる」だけのチームは、方向性がバラバラになりがちです。 その結果、衝突が増え、誰も責任を取らない状態になり、チームとしてうまく機能しなくなります。 例えば、接客方法や提供スピード、クレーム対応が人によって異なると、サービスの質が安定しません。そのためクレームが増え、現場の空気も張りつめたものになります。 そこで必要になるのが「共通ルール」です。 共通ルールを設けることで、役割分担が明確になり、目的の共有もできるようになります。その結果、お互いに過度に干渉することなく、スムーズに動けるようになり、無駄な摩擦も減っていきます。結果として、現場の自由度も高まります。 例えば、接客マニュアルです。提供の手順やクレーム対応の方法を明確にしておくことで、不要な衝突を防ぐことができます。 その結果、それぞれが自分の役割に集中できるようになるのです。 続きを読む

“正論”で解決しない理由

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重要なのは、法律上の「正しさ」と、現場での「納得」は 別物だということです。 労働法は、最終的には裁判や行政対応の場面で 「どちらが法的に正しいか」を判断するためのものです。 一方、会社の狙いは、日常の職場運営を安定させ、生産性を維持することにあります。 法律上は問題のない人事措置・指導であっても・本人が「一方的にやられた」と感じる・説明の仕方が一言足りず「不公平」と受け止められる・周囲の社員が「次は自分かもしれない」と不安になるといった要素が重なると、感情的対立が深まり、紛争化・長期化しがちです。 逆に、法的にはグレーであっても事前にしっかり話し合い選択肢を提示し 人の意向を丁寧に確認している場合紛争化せずに収束するケースもあります。 つまり、「法的には正しい」というだけでは、当事者の納得・感情面の収束まで保証してくれません。 労務の現場では、 ・「法律・就業規則上の正しさ」(正論) ・「事実の丁寧な把握と、個別事情の理解」 ・「相手の感情・納得への配慮」 ・「組織としての一貫性・公平性」 のバランスが重要になります。 “正論”は必要条件ではありますが、それだけでは紛争を「沈静化」させる力にはなりにくく、ときに火に油を注ぐこともあります。 そのため、実務的には、・正論は「最後に支える土台」として位置付ける・最初の段階では、事実の確認・気持ちの受け止め・選択肢の整理を重視するという運び方が、結果として トラブルの予防や早期収束につながることが多いと考えられます。 続きを読む

【初動対応】裁判になる会社・ならない会社の違い

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同じような事案でも、初期対応の仕方で裁判に行くかどうかが変わります。 裁判になりにくい会社の特徴(例)  ⇒初動対応で事実確認と丁寧な説明を行う。 ◎相談があった段階   「聞き取りの場」を正式に設定し、記録を残す   事実確認を行い、可能な範囲で経過や方針を本人に説明する ◎解雇・降格・配置転換など、争いになりやすい処分を行う際   事前に注意・指導・改善の機会を与えている   判断理由を一定の根拠と共に文書で示す ◎紛争の芽が見えた時点   一度は条件面の譲歩や和解可能性を社内で検討する   「訴えるなら訴えればいい」というスタンスを取らない 裁判になりやすい会社の特徴(例)  ⇒初動対応が門前払い・説明不足 ◎相談があった段階   相談窓口で門前払いをする   事実確認を行わずに「本人の勘違い」と決めつける ◎解雇・降格・配置転換など、争いになりやすい処分を行う際   解雇・降格等を突然行い、理由も十分説明しない ◎紛争の芽が見えた時点  「うちは法律どおりにやっている。文句があるなら裁判でも何でもどうぞ」   ▶最終的に訴訟に至る。 続きを読む

従業員が労働基準監督署にタレコミ(通報)▶影響・注意点

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【ここで分かること】 1. 労働基準監督署に従業員が通報したら、何をしてくれるのか? 2. 従業員から労基署へ持ち込まれやすいテーマ(典型例) 3. 労働基準監督署が「具体的に対応できること」 4. 労働基準監督署が「具体的に対応できないこと」 5. 労働基準監督署に従業員が通報したら、何をしてくれるのか 6. 会社側にとってのリスク 7. 通報する従業員側のメリット 8. 通報する従業員側のデメリット(リスク) 9. 通報すると会社にバレるのか 10. どこから申告者の名前が会社にバレやすいのか 11. 申告者が「バレにくくする」にはどうすればよいか 12. 会社側として押さえておきたいポイント 1. 労働基準監督署に従業員が通報したら、何をしてくれるのか? 多くは「申告監督」という形で動きます。概要は次のとおりです。 ◎従業員からの申告内容を監督署が聴き取り・整理   例:残業代不払い、長時間労働、解雇、休業手当不払い、     安全衛生の不備等 ◎必要と判断されれば、会社に対して「申告監督(臨検)」を実施   ▶出勤簿・タイムカード、賃金台帳、36協定、就業規則、    労働条件通知書等を確認   ▶必要に応じて、経営者・人事担当者・従業員へのヒアリング ◎法令違反が認められた場合   ▶「指導票」または「是正勧告書」により、     違反の内容と改善すべき事項・期限を会社に示す   ▶会社から「是正報告書」の提出を求める ◎それでも是正されない・悪質と判断された場合   ▶再監督(再調査)   ▶重大・悪質な場合、検察庁への送検(刑事事件化) 2.  従業員から労基署へ持ち込まれやすいテーマ(典型例) 大半は、調査の際に出勤簿・タイムカード、賃金台帳、就業規則、36協定、健康診断結果等で裏づけを取られる項目です。 3. 労働基準監督署が「具体的に対応できること」 (1) 法令違反の有無を調査すること   ◎事業場への臨検監督(立入調査)     ・工場・事務所等へ立ち入り、現場や設備の状況を確認     ・使用者・労働者への聞き取り(尋問)     ・帳簿・書類の検査       例:出勤簿・タイムカード、賃金台帳、労働者名簿、         36協定、就業規則・賃金規程、労働条件通知書、         有休管理簿 等   ◎調査の契機     ・定期監督(計画的な定期調査)     ・申告監督(労働者等からの申告に基づく調査)     ・災害時監督(労災発生時の原因調査)     ・再監督(是正勧告後、報告なし・改善不十分な場合) (2) 法令違反に対する「行政指導」  ◎指導票・是正勧告書の交付    ・労働時間・残業代不払    ・最低賃金違反    ・年休付与・管理の不備    ・労働条件通知書・就業規則の未整備    ・安全衛生管理体制・機械設備等の不備    ・健康診断未実施 など  ◎是正の促し    ・指定期限までに改善し、是正報告書で報告するよう求める    ・期限までに改善・報告がない場合、再監督を実施 (3) 行政処分・司法手続きへの移行    ・危険な機械・設備等に対する使用停止命令などの行政処分    ・重大・悪質な違反についての捜査・送検(司法警察権限)    ・書類送検(検察庁への送致)    ・虚偽報告や書類偽造など悪質な場合の逮捕・送検    ・虚偽の陳述・報告等に対する罰則(30万円以下の罰金等) (4) 行政サービスとしての一般的な相談対応    ・労働基準法・最低賃金法・労安法等に関する一般的な問合せへの回答    ・具体的な法令要件の説明      例:36協定が必要な範囲、割増賃金率、年休付与要件、        安全衛生管理者の選任義務 等 4. 労働基準監督署が「具体的に対応できないこと」 労基署は「法令の執行機関」であり、「個々の利害調整機関」や「コンサルタント」ではありません。 そのため、次のようなことには原則として対応しません。 (1) 純粋な民事紛争の解決・和解あっせん   ・解雇の有効/無効を最終的に判断すること   ・パワハラ・セクハラ等について、加害者を処罰したり、    慰謝料額を決めること   ・退職金の有無・金額、競業避止義務など    「契約解釈」が中心の民事紛争の調停   ・労使紛争について、当事者双方の代理人となって交渉すること    ※労基署は、労基法等に明らかな違反があれば     指導・送検はできますが、     「どちらの言い分が正しいか」を     裁判所のように裁く権限は持っていません。 (2) 会社の経営判断への介入  ・人員削減・配置転換・事業所閉鎖等の「経営判断」の可否を決めること  ・賃金・賞与・昇給水準そのものを決めること(最低基準を上回る部分)  ・どのような就業規則にするべきかについて、   個別企業の事情を踏まえて設計・作成すること    ※違法な条項があれば「削除・修正するよう指導」はしますが、     代わりの案を作ることはしません (3) 労働組合・労使交渉への直接介入  ・労働組合との団体交渉の内容に立ち入って調整すること  ・ストライキ等の争議行為の可否について判断すること   ※これは労働組合法の領域であり、主たる所管は別です (4) 個々の会社のための継続的な顧問・コンサルティング  ・自社向けの就業規則案・給与制度案の作成  ・労務管理体制の細かな設計・運用改善のコンサルティング  ・労働紛争への継続的な代理交渉・助言 5. 労働基準監督署に従業員が通報したら、何をしてくれるのか 多くは「申告監督」という形で動きます。概要は次のとおりです。 ◎従業員からの申告内容を監督署が聴き取り・整理  例:残業代不払い、長時間労働、解雇、休業手当不払い、安全衛生の不備等 ◎必要と判断されれば、会社に対して「申告監督(臨検)」を実施  ▶出勤簿・タイムカード、賃金台帳、36協定、就業規則、   労働条件通知書等を確認  ▶必要に応じて、経営者・人事担当者・従業員へのヒアリング ◎法令違反が認められた場合  ▶「指導票」または「是正勧告書」により、    違反の内容と改善すべき事項・期限を会社に示す  ▶会社から「是正報告書」の提出を求める ◎それでも是正されない・悪質と判断される場合  ▶再監督(再調査)  ▶重大・悪質な場合は、検察庁への送検(刑事事件化) 6. 会社側にとってのリスク 人事・経営サイドとして押さえておくべきリスクは以下です。 7. 通報する従業員側のメリット 8. 通報する従業員側のデメリット(リスク) 労基署の行政指導はあくまで「行政指導」であり、刑罰や強制力を伴う「行政処分」ではないため、 「通報すれば必ず全てが是正される」とまでは言えません。 9. 通報すると会社にバレるのか 制度上は、申告者の氏名や具体的な申告内容は守秘扱いとされ、 監督官も通常は開示しません。 ただし、以下の理由で「誰が言ったのか、ほぼ推測されてしまう」ことは現実的に多いです。 ◎小規模事業場で、申告内容が特定部署・特定者に紐づく ◎直近で強く不満を表明していた従業員が限られている ◎個別事件(特定の解雇・特定のパワハラ等)をテーマとする場合 したがって、「制度上は保護されるが、実務的には“誰だろう”と推測されがち」という整理になります。 10. どこから申告者の名前が会社にバレやすいのか 典型的なパターンは以下のとおりです。 監督官が氏名を直接漏らすのは原則として避けますが、事案の性質上、会社側が「誰が関わっているのか」を想像できてしまうことは多いです。 11. 申告者が「バレにくくする」にはどうすればよいか 人事労務としては、「そもそも通報されないよう、内部で解決できる仕組みを整える」ことが本筋です。 その前提の上で、従業員目線で言えば次のような点が「バレにくさ」に影響します。 ◎通報内容を、できるだけ「特定の個人案件」ではなく「職場全体の制度・運用」に寄せる  例:「営業部全体で36協定を超える残業が常態化している」等 ◎監督署への相談段階では、まず「一般相談」として制度や是正の進め方を聞くにとどめ、すぐに申告監督を求めない内容にする 一度に極めて詳細な“内部事情”を出し過ぎると、逆に人物が特定されやすい なお、通報の性質上、100%「バレない」は現実的には難しいという理解が必要です。 12. 会社側として押さえておきたいポイント 労基署は「最低基準の番人」であり、 最低基準違反の調査・是正指導・送検までは強い権限を持つ一方で、 最低基準を超える部分(賃金水準・人事制度設計等)や、 利害対立の調整・コンサルティングは原則として行いません。 是正勧告や指導は「行政指導」で法的拘束力は形式上ありませんが、 従わない場合は再監督や送検など、実務上のリスクは大きいことに留意が必要です。 続きを読む

事業場外みなし労働時間制について

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 導入するにあたり、気をつけるこのはありますか? 以下の点に気をつけてください。 ①使用者の具体的な指揮監督:及ばないこと②労働時間の算定:困難であること③事業場外の業務に通常必要な時間:適切に設定すること④制度の対象者:事業場外で業務を行う部署または従業員  ※事務職など労働時間の把握ができる部署または従業員は対象外⑤就業規則:規定として、制度を導入すること⑥対象となる従業員に行うこと:説明をすること ⑦事業場外の業務に通常必要な時間が法定労働時間(1日8時間)超える場合:労使協定を締結すること  …など  ※法定労働時間を超えない場合も労使協定を締結することをお勧めします。  1日の一部だけ事業場外みなし労働時間制を適用できますか? 可能です。ただし、労使協定で『事業場外の業務において通常必要とされる時間』を定める必要があります。 ※『事業場外みなし労働時間制で労使協定を結んだ時間』(1日単位)が法定労働時間を超えない場合、労働基準監督署への届出は必要ありません。  企業内で一部勤務している時間を、事業場外みなし労働に含めることができますか? 【原則】事業場外みなし労働時間制を利用し、企業内で一部勤務をしている場合    ▶『所定労働時間内の労働』として取り扱う。 【例外】『事業場外の労働時間』と『事業場内の労働時間』をあわせて所定労働時間を超える場合    ▶労働時間は?  注意点 企業は労働契約の締結の際、労働条件を原則として書面で通知しなければなりません。  ※労働条件通知書には、適用される始業時刻と終業時刻を記載します。 続きを読む

有給休暇のルール

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 どのような要件が満たしたら付与するの? 以下の2つを満たした場合 ①勤務期間:入社から6か月間(継続勤務)②出勤割合:全出勤日の8割以上  何日与えるの?  【原則】正社員の場合  【例外】一部のパートアルバイトの場合 以下のA・Bのパターンに該当する場合、支給する日数が原則と違います。  Aパターン   以下の2つの要件を満たす場合    ①所定労働時間(週単位):週30時間未満    ②所定労働日数(週単位):4日以下  Bパターン   以下の2つの要件を満たす場合      ①所定労働時間(週単位):週30時間未満    ②所定労働日数(年単位):216日以下  有給休暇を与える単位は?  半日単位 【原則】一日単位。 【例外】半日単位。  ※半日単位の制度を採用する場合、労使協定が不要  時間単位 【原則】一日単位。 【例外】時間単位。  ※時間単位の制度を採用する場合、労使協定が不要  ※全部を時間単位で取得できない。(上限:5日まで)  注意点 有給休暇が10日以上付与される従業員がいる場合 ▶最低限支給しなくてはいけない日数がある。  ※5日(年単位)(=義務)  ◎対象外となる従業員:既に5日以上の年次有給休暇を請求・取得している場合。  ◎与える期限:有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内。  ◎取得する時季を指定すること:義務  ◎取得させる際に従業員の意見を聴取すること:努力義務    ※できる限り従業員の希望に沿った取得時季になるよう、聴取した意見を尊重する 続きを読む

柔軟な働き方に対する制度の導入

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はじめに 労働基準法では、1日8時間、1週40時間を法定労働時間と定めています。 ただし、商業、映画・演劇業(映画製作の事業を除く)、保健衛生業及び接客娯楽業であって、常時使用する労働者が10人未満の事業場は、特例として週法定労働時間を44時間と定めています。 使用者は、過半数組合(過半数組合がない場合は過半数代表者)と労使委協定を締結し、労働基準監督署に届け出た場合は、法定労働時間を超えて労働させることができます(これを「時間外労働」といいます)。時間外労働には限度が定められており、原則として1か月45時間、1年360時間を超えないものとしなければなりません。 法定労働時間は上記のとおり定められていますが、例外として、労使協定が締結されている等の条件の下、一定期間内を平均した労働時間が法定労働時間を超えないように労働時間を定めることができる制度があります。 これを変形労働時間制といいます。労働基準法では、1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制及び1週間単位の非定型的変形労働時間制を定めています。 変形労働時間制の種類 変形労働時間制は3種類あります。ここでは制度の概要を理解しましょう。 ①1か月単位の変形労働時間制 1か月の中で繁忙期と閑散期がある、1日労働時間が一定ではない、休日が固定できないなど、法令等で定められている労働時間の1日8時間以内、1週間40時間(従業員数10名未満の特例措置対象事業場は44時間)以内で労働時間を定めることが難しいときに使われている制度です。 ②1年単位の変形労働時間制 1年以内のあいだで、繁忙期と閑散期がある場合、業務の閑散に合わせた所定労働時間を設定することができます。 ③1週間単位の非定型的変形労働時間制 1週間の中で業務の繁閑の差が大きく、あらかじめ日々の労働時間を予測しづらい事業に認められている制度です。 規模30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業において、労使協定により、1週間単位で毎日の労働時間を弾力的に定めることができる制度です。 ① 1か月単位の変形労働時間制 要件を教えてほしい。 1か月単位ならば以下4つの要件を定め、周知させることが必要です。①変形労働時間制を採用することの定め、②勤務日、勤務時間の特定(始業、終業の時刻も定めること)、③変形期間の所定労働時間〔1週間の法定労働時間×1か月の暦日数÷7日〕を超えない範囲、④変形期間の起算日。 どのような業種が多く導入していますか? 以下のような業種で導入されていることが多いです。 ・美容業(美容室やネイル、まつ毛・眉毛サロンなど)・運送業(ドライバーなど)・医療業(クリニックなど)・保険・福祉業(訪問介護など)・飲食業(カフェ、居酒屋など) ・小売業(雑貨屋など) ② 1年単位の変形労働時間制 要件を教えてほしい。 1年単位の変形労働時間制では1日10時間、1週で52時間を超えた分は残業となります。また、週48時間を超える所定労働時間を設定するのは連続3週以内とするなど、過労抑止のためのルールもあります。1か月単位の変形労働時間制と大きく異なる点なので留意してください。 ➀労使協定の締結および届出以下の5つの項目を記載した労使協定を従業員代表と締結し、管轄の労働基準監督署に届出します。・対象労働者の範囲・対象期間(1か月を超え1年以内の期間)および起算日・特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間)・労働日および労働日ごとの労働時間・労使協定の有効期間 ②就業規則の整備常時10人以上の従業員がいる事業場については、1年単位の変形労働時間制を採用する旨や変形期間中の始業・終業時刻および休憩時間などを就業規則に定めます。そして、従業員代表の意見を聴取し就業規則変更届を管轄の労働基準監督署に届出します。 どのような業種が多く導入していますか? 1年の中で繁忙期と閑散期の業務量の差が大きい業種に適しています。たとえば、お中元やお歳暮シーズンのデパートや、ゴールデンウイークやお盆休み、年末年始の観光業など、季節によって繁閑の差が大きい業種です。 ③ 1週間単位の非定型的変形労働時間制 要件を教えてほしい。 労使協定を締結し、管轄の労働基準監督署へ届出が必要です。対象企業が限定されているため、注意してください。 【対象企業】規模30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業 はじめに 労働基準法では、1日8時間、1週40時間を法定労働時間と定めています。 ただし、商業、映画・演劇業(映画製作の事業を除く)、保健衛生業及び接客娯楽業であって、常時使用する労働者が10人未満の事業場は、特例として週法定労働時間を44時間と定めています。 使用者は、過半数組合(過半数組合がない場合は過半数代表者)と労使委協定を締結し、労働基準監督署に届け出た場合は、法定労働時間を超えて労働させることができます(これを「時間外労働」といいます)。時間外労働には限度が定められており、原則として1か月45時間、1年360時間を超えないものとしなければなりません。 法定労働時間は上記のとおり定められていますが、例外として、労使協定が締結されている等の条件の下、一定期間内を平均した労働時間が法定労働時間を超えないように労働時間を定めることができる制度があります。 これを変形労働時間制といいます。労働基準法では、1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制及び1週間単位の非定型的変形労働時間制を定めています。 変形労働時間制の種類 変形労働時間制は3種類あります。ここでは制度の概要を理解しましょう。 ①1か月単位の変形労働時間制 1か月の中で繁忙期と閑散期がある、1日労働時間が一定ではない、休日が固定できないなど、法令等で定められている労働時間の1日8時間以内、1週間40時間(従業員数10名未満の特例措置対象事業場は44時間)以内で労働時間を定めることが難しいときに使われている制度です。 ②1年単位の変形労働時間制 1年以内のあいだで、繁忙期と閑散期がある場合、業務の閑散に合わせた所定労働時間を設定することができます。 ③1週間単位の非定型的変形労働時間制 1週間の中で業務の繁閑の差が大きく、あらかじめ日々の労働時間を予測しづらい事業に認められている制度です。 規模30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業において、労使協定により、1週間単位で毎日の労働時間を弾力的に定めることができる制度です。 ① 1か月単位の変形労働時間制 要件を教えてほしい。 1か月単位ならば以下4つの要件を定め、周知させることが必要です。①変形労働時間制を採用することの定め、②勤務日、勤務時間の特定(始業、終業の時刻も定めること)、③変形期間の所定労働時間〔1週間の法定労働時間×1か月の暦日数÷7日〕を超えない範囲、④変形期間の起算日。 どのような業種が多く導入していますか? 以下のような業種で導入されていることが多いです。 ・美容業(美容室やネイル、まつ毛・眉毛サロンなど)・運送業(ドライバーなど)・医療業(クリニックなど)・保険・福祉業(訪問介護など)・飲食業(カフェ、居酒屋など) ・小売業(雑貨屋など) ② 1年単位の変形労働時間制 要件を教えてほしい。 1年単位の変形労働時間制では1日10時間、1週で52時間を超えた分は残業となります。また、週48時間を超える所定労働時間を設定するのは連続3週以内とするなど、過労抑止のためのルールもあります。1か月単位の変形労働時間制と大きく異なる点なので留意してください。 ➀労使協定の締結および届出以下の5つの項目を記載した労使協定を従業員代表と締結し、管轄の労働基準監督署に届出します。・対象労働者の範囲・対象期間(1か月を超え1年以内の期間)および起算日・特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間)・労働日および労働日ごとの労働時間・労使協定の有効期間 ②就業規則の整備常時10人以上の従業員がいる事業場については、1年単位の変形労働時間制を採用する旨や変形期間中の始業・終業時刻および休憩時間などを就業規則に定めます。そして、従業員代表の意見を聴取し就業規則変更届を管轄の労働基準監督署に届出します。 どのような業種が多く導入していますか? 1年の中で繁忙期と閑散期の業務量の差が大きい業種に適しています。たとえば、お中元やお歳暮シーズンのデパートや、ゴールデンウイークやお盆休み、年末年始の観光業など、季節によって繁閑の差が大きい業種です。 ③ 1週間単位の非定型的変形労働時間制 要件を教えてほしい。 労使協定を締結し、管轄の労働基準監督署へ届出が必要です。対象企業が限定されているため、注意してください。 【対象企業】規模30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業 はじめに 労働基準法では、1日8時間、1週40時間を法定労働時間と定めています。 ただし、商業、映画・演劇業(映画製作の事業を除く)、保健衛生業及び接客娯楽業であって、常時使用する労働者が10人未満の事業場は、特例として週法定労働時間を44時間と定めています。 使用者は、過半数組合(過半数組合がない場合は過半数代表者)と労使委協定を締結し、労働基準監督署に届け出た場合は、法定労働時間を超えて労働させることができます(これを「時間外労働」といいます)。時間外労働には限度が定められており、原則として1か月45時間、1年360時間を超えないものとしなければなりません。 法定労働時間は上記のとおり定められていますが、例外として、労使協定が締結されている等の条件の下、一定期間内を平均した労働時間が法定労働時間を超えないように労働時間を定めることができる制度があります。 これを変形労働時間制といいます。労働基準法では、1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制及び1週間単位の非定型的変形労働時間制を定めています。 変形労働時間制の種類 変形労働時間制は3種類あります。ここでは制度の概要を理解しましょう。 ①1か月単位の変形労働時間制 1か月の中で繁忙期と閑散期がある、1日労働時間が一定ではない、休日が固定できないなど、法令等で定められている労働時間の1日8時間以内、1週間40時間(従業員数10名未満の特例措置対象事業場は44時間)以内で労働時間を定めることが難しいときに使われている制度です。 ②1年単位の変形労働時間制 1年以内のあいだで、繁忙期と閑散期がある場合、業務の閑散に合わせた所定労働時間を設定することができます。 ③1週間単位の非定型的変形労働時間制 1週間の中で業務の繁閑の差が大きく、あらかじめ日々の労働時間を予測しづらい事業に認められている制度です。 規模30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業において、労使協定により、1週間単位で毎日の労働時間を弾力的に定めることができる制度です。 ① 1か月単位の変形労働時間制 要件を教えてほしい。 1か月単位ならば以下4つの要件を定め、周知させることが必要です。①変形労働時間制を採用することの定め、②勤務日、勤務時間の特定(始業、終業の時刻も定めること)、③変形期間の所定労働時間〔1週間の法定労働時間×1か月の暦日数÷7日〕を超えない範囲、④変形期間の起算日。 どのような業種が多く導入していますか? 以下のような業種で導入されていることが多いです。 ・美容業(美容室やネイル、まつ毛・眉毛サロンなど)・運送業(ドライバーなど)・医療業(クリニックなど)・保険・福祉業(訪問介護など)・飲食業(カフェ、居酒屋など) ・小売業(雑貨屋など) ② 1年単位の変形労働時間制 要件を教えてほしい。 1年単位の変形労働時間制では1日10時間、1週で52時間を超えた分は残業となります。また、週48時間を超える所定労働時間を設定するのは連続3週以内とするなど、過労抑止のためのルールもあります。1か月単位の変形労働時間制と大きく異なる点なので留意してください。 ➀労使協定の締結および届出以下の5つの項目を記載した労使協定を従業員代表と締結し、管轄の労働基準監督署に届出します。・対象労働者の範囲・対象期間(1か月を超え1年以内の期間)および起算日・特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間)・労働日および労働日ごとの労働時間・労使協定の有効期間 ②就業規則の整備常時10人以上の従業員がいる事業場については、1年単位の変形労働時間制を採用する旨や変形期間中の始業・終業時刻および休憩時間などを就業規則に定めます。そして、従業員代表の意見を聴取し就業規則変更届を管轄の労働基準監督署に届出します。 どのような業種が多く導入していますか? 1年の中で繁忙期と閑散期の業務量の差が大きい業種に適しています。たとえば、お中元やお歳暮シーズンのデパートや、ゴールデンウイークやお盆休み、年末年始の観光業など、季節によって繁閑の差が大きい業種です。 ③ 1週間単位の非定型的変形労働時間制 要件を教えてほしい。 労使協定を締結し、管轄の労働基準監督署へ届出が必要です。対象企業が限定されているため、注意してください。 【対象企業】規模30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業 続きを読む

変形労働時間制を導入しています。対象となる従業員に対して、配慮すべきことはありますか?

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適用となる下記の従業員に対して特別な配慮をしなければなりません。 ・育児を行う従業員・老人などの介護を行う従業員・職業訓練または教育を受ける従業員・そのほか、特別の配慮を要する従業員 生後満1年に達しない子どもを育てる女性は1日2回、少なくとも30分、その子どもを育てるための時間を請求することができます。 妊産婦(妊娠中および産後1年を経過しない女性)が請求した場合、冒頭の変形労働時間制にかかわらず週40時間および1日8時間を超える労働をさせることができませんが、生後満1年に達しない子どもを育てる女性従業員がこの請求をせず変形労働時間制によって働き、1日の労働時間が8時間を超える場合は、具体的状況に応じ法定以上の育児時間を与えるなどの配慮が必要です。 続きを読む

固定残業代を導入するときに注意する点はありますか?

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固定残業代を導入するときは以下の点に注意して導入をしてください。 ・通常の賃金に当たる部分と固定残業代の部分が明確になっている ・時間外労働が固定残業代を超えたときは差額の支払いを行う ・固定残業代に含まれる残業時間数が長時間になっていない(80時間など) ・固定残業代が時間外労働に対する対価として支払われることが明確になっている ・雇用契約書などで従業員と合意が取れている 固定残業代は正しく運用がされていないとトラブルになったり、残業代が支払われていないと判断されることもあります。 続きを読む