力むほど、人は弱くなる
その他あなたも現状を変えようとして、 全力で自分を追い込んだことがあるはずです。 激しいロック音楽を聴き、 朝から夜まで予定を詰め込み、 気合いを入れ、 弱音を飲み込みながら前に進もうとした。 その時、周囲からも 「失敗したら終わりだ」 「結果を出せ」 「もっと本気を出せ」 そんなプレッシャーを受けたかもしれません。 しかし、人間の行動は その人の『意識の状態』から生まれます。 焦れば視野は狭くなる。 力めば判断は鈍くなる。 すると言葉が荒くなる。 人間関係が崩れる。 崩れると、さらに焦る。 多くの人は何かを成し遂げようとする時、 『もっと力を出そう』とします。 つまり、“足そう”とするのです。 ですが、本来必要なのは、 逆に『余計な力を抜くこと』なのかもしれません。 脱力とは、 責任を捨てることでも、諦めることでもありません。 不安、恐れ、執着によって生まれた “過剰な緊張”を手放すことです。 例えば、 ・未来への不安 ・過去への後悔 ・「相手が悪い」という不平不満 ・「こうあるべきだ」という執着 こうした“とらわれ”が、 心と身体を固くしていきます。 そして心が固まるほど、 人は世界を押し返そうとします。 しかし、押し返すほど摩擦は増え、 現実は『敵のような形』を取り始めるのです。 この感覚は、武道に近いものがあります。 剣道でも、本当に強い人ほど柔らかい。 もちろん、それは“いい加減”という意味ではありません。 例えば、何人もの相手と真剣勝負をするとします。 一人に心を奪われ、 一撃に執着し、 恐怖に飲み込まれて動きが止まれば、 次の相手に斬られて終わりです。 だからこそ、 ・どこにも心を止めない ・誰にも心をとどめない ・全体を自然に見る そうした状態が必要になる。 また、どれほど強い人でも、 真剣勝負は怖いものです。 しかし、その恐怖を無理に消そうとすると、 かえって心は恐怖に縛られていきます。 だからこそ大切なのは、 恐怖から目を逸らさず、受け止めた上で、 それに飲み込まれないこと。 傍らに置いたまま動けることです。 この“緩さ”が、本当の強さなのだと思います。 緩くはあっても、軽くはない。 力を抜いているように見えて、 実際には、最も深い集中の中にいるのです。 続きを読む