◎法定労働時間:1日8時間、1週40時間

※特例:1日8時間、1週44時間
上記特例は、商業・映画・演劇業(映画製作の事業を除く)・保健衛生業・接客娯楽業であって、常時使用する労働者が10人未満の場合に限る。

◎時間外労働:1か月45時間、1年360時間以下(原則
※労使委協定の締結、届け出が必要。

そこで例外として、一定期間内を平均した労働時間法定労働時間を超えないように所定労働時間を定めることができる制度があります。

これを変形労働時間制といい、労働基準法では、1か月単位の変形労働時間制、1年単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制を定めています。

(補足)

所定労働時間:企業が法定労働時間の範囲内で自由に設定する労働時間。

法定労働時間:労働基準法で定められた労働時間の上限。
※法定労働時間を超える労働分は残業となります。

変形労働時間制は3種類あります。ここでは制度の概要を理解しましょう。

①1か月単位の変形労働時間制

1か月の中で繁忙期と閑散期がある、1日労働時間が一定ではない、休日が固定できないなど、法令等で定められている労働時間の1日8時間以内、1週間40時間(従業員数10名未満の特例措置対象事業場は44時間)以内で労働時間を定めることが難しいときに使われている制度です。

②1年単位の変形労働時間制

1年以内のあいだで、繁忙期と閑散期がある場合、業務の閑散に合わせた所定労働時間を設定できます。

③1週間単位の非定型的変形労働時間制

1週間の中で業務の繁閑の差が大きく、あらかじめ日々の労働時間を予測しづらい事業に認められている制度です。

規模30人未満の小売業、旅館、料理・飲食店の事業において、労使協定により、1週間単位で毎日の労働時間を弾力的に定めることができる制度です。

1か月単位ならば以下4つの要件を定め、周知させることが必要です。
①変形労働時間制を採用することの定め、
②勤務日、勤務時間の特定(始業、終業の時刻も定めること)、
③変形期間の所定労働時間〔1週間の法定労働時間×1か月の暦日数÷7日〕を超えない範囲、
④変形期間の起算日。

以下のような業種で導入されていることが多いです。

・美容業(美容室やネイル、まつ毛・眉毛サロンなど)
・運送業(ドライバーなど)
・医療業(クリニックなど)
・保険・福祉業(訪問介護など)
・飲食業(カフェ、居酒屋など) 
・小売業(雑貨屋など)

1年単位の変形労働時間制では1日10時間、1週で52時間を超えた分は残業となります。

また、週48時間を超える所定労働時間を設定するのは連続3週以内とするなど、過労抑止のためのルールもあります。

1か月単位の変形労働時間制と大きく異なる点なので留意してください。

➀労使協定の締結および届出
以下の5つの項目を記載した労使協定を従業員代表と締結し、管轄の労働基準監督署に届出します。
・対象労働者の範囲
・対象期間(1か月を超え1年以内の期間)および起算日
・特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間)
・労働日および労働日ごとの労働時間
・労使協定の有効期間

②就業規則の整備
常時10人以上の従業員がいる事業場の場合、1年単位の変形労働時間制を採用する旨や変形期間中の始業・終業時刻および休憩時間などを就業規則に定めます。そして、従業員代表の意見を聴取し就業規則変更届を管轄の労働基準監督署に届出します。

1年の中で繁忙期と閑散期の業務量の差が大きい業種に適しています。

例)お中元やお歳暮シーズンのデパート
例)ゴールデンウイークやお盆休み、年末年始の観光業など、季節によって繁閑の差が大きい業種

労使協定を締結し、管轄の労働基準監督署へ届出が必要です。

この制度は、導入できる業種・規模が限定されています。

規模:30人未満
業種:小売業・旅館・料理・飲食店

ちょっと難しいけど、頑張って!